
JPX日経400完全ガイド
~ROE革命と投資家視点で知る「選ばれし400社」~
目次
- JPX日経400とは?
- JPX400誕生の背景と市場トレンド
- JPX400の特徴と注目ポイント
- 関連キーワード解説
- JPX400の選定基準と構成の仕組み
- JPX400の投資活用術・ETF
- 日経平均・TOPIX・JPX400の違い
- 近年の動向と今後の注目点
- まとめ~JPX400は投資家の「羅針盤」
JPX日経400とは?
JPX日経インデックス400(JPX400)は、2014年から算出が始まった東京証券取引所の新しい株価指数です。
「経営改革」「資本効率」「投資家目線」を重視する、国際水準の“優良企業”400社を選抜した独自のインデックスで、市場の活性化と日本企業のレベルアップを後押ししています。
グローバルな投資基準で選ぶ、「最も魅力ある日本企業400社」。
JPX400はまさに“新時代”日本株式市場のエースです。
JPX400誕生の背景と市場トレンド
JPX400誕生の背景には、日本株全体の成長力・ガバナンス強化が求められた「新陳代謝の潮流」があります。
従来の主要株価指数「日経平均」は一部の銘柄に値動きの影響が集中、「TOPIX」は上場全社の機械的な組入れで経営効率の低い企業も含まれていたため、投資家にとって真の“優良企業指数”が待望されていました。
- 日本取引所グループと日本経済新聞社などがタッグを組み、グローバルな潮流に対応した新インデックスを開発。
- 「稼ぐ力」「企業価値向上」に重きを置く指標作りで、低ROE・ガバナンス不十分な企業への強いメッセージとなった。
- 結果、日本の株主還元経営・コーポレートガバナンス改革の流れが加速。
JPX400の特徴と注目ポイント
-
ROE(株主資本利益率)重視:
資本効率の高さが選定最大のポイント。単なる売上や時価総額でなく「株主の資本をどれだけ効率的に使っているか」が評価される。 -
経営ガバナンス:
社外取締役の登用や女性役員の有無、グローバル経営体制なども加点評価項目。 -
毎年見直し:
8月末の定期入替で時流に沿った構成に。厳密なスクリーニングにより、実績の無い企業は除外・次点企業が新規採用される。 -
多様な業種・成長企業が混在:
伝統的大企業もあれば成長新興株も組入れ、「稼ぐ力」で評価されることが多い。 -
ETF・先物も取引可能:
JPX400連動ETFや先物商品も登場し、さまざまな投資スタイルに活用できる。
JPX400の構成企業は“お墨付き”の証。経営改革・資本効率革命の推進役となっています。
関連キーワード解説
- ROE(株主資本利益率): 企業がどれだけ株主資本を活用して効率的に利益を生み出しているかを示す指標。高いほど資本効率が良い。
- コーポレートガバナンス: 社外取締役の設置や情報開示など、株主を重視した企業統治体制。
- 浮動株調整時価総額加重型: “流通している株式のみ”で時価総額加重を行うため、実際の市場取引量・株主分布に近い指数設計。
- 定量評価・定性評価: 数値ベース(ROE・営業利益・時価総額など)+ガバナンスやグローバル基準の満たし度合い(加点項目)で評価。
- 選定除外基準: 債務超過、営業赤字、企業統治体制不十分な企業は候補から除外。
- ETF(上場投資信託): JPX400連動ETFを買えば、400社全体に分散投資可能。
- PBR(株価純資産倍率): 指数構成企業にはPBR向上を促す東証改革も追い風。
- サステナビリティ: 最近ではESG(環境・社会・ガバナンス)重視銘柄の採用も進行。
JPX400の選定基準と構成の仕組み
- 東証の全上場企業から、まず債務超過・営業赤字・流動性不十分な銘柄を除外。
- 売買代金や時価総額の大きい銘柄から約1,000社を抽出。
- 【3項目評価】
・過去3年平均ROE
・3年累積営業利益
・基準日時価総額 - 【定性加点評価】
・社外取締役の過半数選任
・女性役員の比率
・国際財務報告基準(IFRS)採用
・ディスクロージャー水準 - 以上のスコアで最終400銘柄を決定。8月末に定期入れ替え。
選定ポイントは「ROE」「ガバナンス」「安定した利益」。
これらを全て兼ね備えて初めて、JPX400に選出される仕組みです。
JPX400の投資活用術・ETF
-
ETF経由で簡単分散投資:
JPX400をベンチマークとする上場投資信託(ETF)多数。コード1591「NEXT FUNDS JPX日経400」などが代表。 -
指数先物取引でも売買可能:
「JPX日経インデックス400先物」商品も取引でき、ヘッジにも利用されている。 -
長期・積立、NISA枠にも人気:
PBR・ROE改革銘柄に中長期資金が集まりやすい。 -
業種偏重リスクが低い:
「稼ぐ企業」に厳選、東証一部全社インデックスのように停滞企業の重しが小さい。 -
成長株・老舗大企業の共存:
成長力と安定力のバランスで幅広い投資家層のニーズを満たす。
「ETFで400社にワンタッチ投資」——JPX400は分散×効率投資という現代アセット運用の象徴です。
日経平均・TOPIX・JPX400の違い
項目 | 日経平均株価 | TOPIX | JPX400 |
---|---|---|---|
銘柄数 | 225 | 約1,900 | 400 |
選定基準 | 流動性、業種構成 | 東証上場全銘柄 | ROE、利益、ガバナンスなど |
特徴 | 値がさ株の影響が大きい | 市場全体の動向 | 優良&効率経営重視 |
近年の動向と今後の注目点
- 最新の東証改革(PBR 1倍割れ脱出、ガバナンス強化要請)が、指数構成企業の経営姿勢に反映されやすい。
- ESG・サステナビリティ要素の加点拡大で国際投資家の関心度が向上中。
- 日経平均やTOPIXとの値動き比較による、資本効率改革の市場評価も重要視されている。
- 定期入替時の銘柄サプライズ(新規採用・除外)が個別株人気にも影響。
- 外国人投資家の資金流入先としてもJPX400は注目度が高い。
ROE革命と経営の見える化——JPX400は「経営を変えるインデックス」として進化し続けています。
まとめ~JPX400は投資家の「羅針盤」
JPX日経400は「真に優れた日本企業」を浮き彫りにし、投資家が安心して中長期資金を託せる“羅針盤”です。
投資収益を追求するだけでなく、企業経営改革と市場の活性化をけん引する新基準。日経平均・TOPIXとの違いを理解し、ETFや先物など多様な手段で、日本経済の明日を映す400社の「稼ぐ力」「改革力」に注目し続けましょう。
「JPX400を知ることは、日本株投資の新たな地平を切り拓くこと」
ぜひ、選ばれし400社の挑戦に投資で参画してみてください。