当社の配当・銘柄分析サービスが東証上場銘柄すべてに機械的に適用している「オールブルー」ランキング(全10手法で理論株価が現在株価を上回っている銘柄の一覧)の中から、直近の出来高がトップクラスだった日本航空(9201)を取り上げます。本記事を第1回として、今後も株価推移を継続的にモニタリングしていく予定です。
日本航空はどんな企業か
日本航空(JAL)は、全日空(ANA/9202)と並ぶ国内2大フルサービスキャリアの一角で、東証プライム市場に上場しています。国内線・国際線の旅客輸送を主力に、貨物輸送やLCC事業なども展開しています。
なぜ「オールブルー」に入ったのか
オールブルーランキングは、DCF法・PER相対法・PBR相対法・DDM・純資産法・RIM・収益還元法・EV/EBITDA倍率法・PSR相対法・PCFR相対法の全10手法において、理論株価が現在の株価を上回っている(=理論株価対比で現在株価が相対的に低い水準にあると評価される、という機械的な抽出条件)銘柄を、東証上場の評価対象銘柄すべてに同一条件を機械的に適用して抽出したものです。日本航空はこの条件を満たした銘柄の中で、直近の出来高が特に大きかった1銘柄として本記事で取り上げています。手法別の具体的な理論株価の数値は、当社サービス上でご確認いただけます。
好調な通期決算と急減益の1Q
2026年3月期の通期連結業績は、売上収益2兆125億円(前期比9.1%増)、EBIT2,180億円(同26.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,376億円(同28.6%増)と大幅な増収増益でした。訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加が国際線需要を押し上げたことが主因とみられます。
一方、8月3日に発表された2027年3月期第1四半期決算では、売上収益は11.2%増の5,237億円と増収が続いたものの、燃油費が58.4%増加した影響で、親会社利益は80.2%減の54億円にとどまりました。決算発表後は株価が急落し、直近5営業日は落ち着いた値動きとなっています。
| 項目 | 2026年3月期(通期) | 2027年3月期1Q |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆125億円(+9.1%) | 5,237億円(+11.2%) |
| 燃油費 | — | +58.4% |
| 親会社利益 | 1,376億円(+28.6%) | 54億円(▲80.2%) |
※通期とQ1は期間・性質が異なる数値のため単純比較はできません。燃油費の急増が四半期利益を大きく圧縮した点がポイントです。
配当・株主還元
2026年3月期の年間配当は1株あたり96円(期末配当50円、配当性向31.3%)でした。2026年8月14日終値3,054円で単純計算すると、配当利回りはおよそ3.1%となります。これは2026年3月期の実績配当にもとづく過去実績ベースの単純計算であり、将来の配当・利回りを保証するものではありません。配当額・配当性向は今後の業績次第で変動しうる点にご留意ください。
注目したいリスク要因
- 燃油費・為替の変動:航空機燃料は原油価格や為替(円安)の影響を強く受け、1Q決算のように利益を大きく圧迫する要因になります。
- インバウンド需要への依存度:訪日外国人需要の伸びが業績の追い風になっている一方、地政学リスクや感染症等で需要が急減するリスクも過去に経験しています。
- 競合環境:ANAとの2強体制に加え、LCC各社との競争もあります。
株価推移
2026年8月14日終値は3,054円。年初来高値は3,272.0円(2026年2月27日)、年初来安値は2,406.5円(2026年4月30日)でした。実際のチャートはTradingViewの銘柄ページでご確認いただけます。
モニタリングのポイント
オールブルーは「全10手法で理論株価が現在株価を上回っている」という機械的な条件を満たした銘柄であり、それ自体が買い時を示すものではありません。特に日本航空は、通期では大幅増益だった一方、直近四半期は燃油費の急増で利益が大きく落ち込んでおり、手法によって評価が分かれる可能性があります。今後の決算・燃油費・為替の動向とあわせて、複数の視点から株価水準を継続的に確認していくことが大切です。
まとめ
日本航空は、通期の好業績とインバウンド追い風という強みを持つ一方、直近1Qでは燃油費急増による大幅減益という弱みも抱える銘柄です。オールブルーランキングで抽出された経緯や、手法別の理論株価の詳細は配当・銘柄分析サービスでご確認いただけます。本シリーズでは、今後も同銘柄の株価推移を定期的に追っていく予定です。


























