エービーシー・マート(2670)が、2026年10月7日に発表した上半期決算を受けて通期業績予想を上方修正し、株価が反発しました。上半期の営業利益が会社計画を上回ったことに加え、不振が続いていた韓国事業の回復も好材料として意識されています。
エービーシー・マートはどんな企業か
エービーシー・マートは、「ABC-MART」等の店舗名でスニーカー・シューズを中心とした靴の専門店を国内外で展開する企業です。国内のほか、韓国・台湾・ベトナム等アジア地域にも店舗を展開しており、海外事業の動向が業績に影響しやすい構造になっています。東証プライム市場に上場しています。
上半期決算を受けた通期業績予想の上方修正
2026年10月7日発表の2027年2月期上半期(3月〜8月)決算では、営業利益が361億円(前年同期比7.4%増)となり、追加関税に関する還付の影響を考慮しても市場予想をやや上回る水準だったとされています。この上半期の上振れを受けて、会社は通期の営業利益予想を656億円から672億円(上方修正前比+2.4%、前期実績比+6.2%増)へ、経常利益予想を674億円から698億円(上方修正前比+3.6%)へ、それぞれ上方修正しました。
| 項目 | 上方修正前 | 上方修正後 |
|---|---|---|
| 通期営業利益(2027年2月期) | 656億円 | 672億円(上方修正前比+2.4%、前期実績比+6.2%) |
| 通期経常利益(2027年2月期) | 674億円 | 698億円(上方修正前比+3.6%) |
※今回の上方修正は上半期の上振れ分を反映したものであり、今後の決算内容次第でさらに修正される可能性もあります。表中の「前期実績比」は前年度の実績との比較、「上方修正前比」は今回の修正前予想との比較であり、基準が異なります。最新の業績予想は同社IR資料でご確認ください。
韓国事業の回復という追い風
同社の海外事業の中でも、韓国事業は2024年末の政治情勢の混乱(戒厳令をめぐる動き)の影響で消費が落ち込み、業績が低迷していた時期がありました。その後、2026年に入ってからは売上が回復に向かい、2027年2月期第1四半期(3〜5月)の韓国事業は売上高179億円(前年同期比13.1%増)、営業利益7.7億円(同25.9%増)と大幅な増収増益となり、利益率の改善も進んでいるとされています。また、韓国大手流通企業イーランドが展開するシューズセレクトショップ「フォルダー」の店舗27店を譲り受けるなど、現地での事業強化も進めています。
※上記の韓国事業の数値は第1四半期(3〜5月)時点のものであり、本記事の主題である上半期(3〜8月)決算における最新のセグメント別数値ではありません。上半期時点での詳細は同社決算資料でご確認ください。
株価の動き
上方修正発表の翌営業日である2026年10月8日、株価は前日比+49円の反発となりました。その後、2026年10月9日には2,852.5円(前日比▲16円、▲0.56%)で取引されています。実際の最新チャートはTradingViewの銘柄ページでご確認いただけます。
注目したいリスク要因
- 海外事業の政治・経済情勢への感応度:韓国事業は2024年末の政治情勢混乱で一時的に業績が落ち込んだ経緯があり、海外の政治・経済情勢の変化が業績に影響しやすい構造です。
- 上方修正は上半期の上振れ分の反映にとどまる:通期予想の上方修正は上半期の実績を踏まえたものであり、下半期の業績次第で状況が変わる可能性があります。
- 関税・輸入コストの影響:上半期決算では関税に関する還付の影響が業績に関わっていたとされ、今後も関税・為替等のコスト動向が業績に影響を与える可能性があります。
- 国内外のアパレル・シューズ市場の競争環境:インバウンド需要や国内消費動向、競合企業との競争環境の変化も業績に影響を与える要因です。
まとめ
エービーシー・マートは、上半期決算が会社計画を上回ったことを受けて通期業績予想を上方修正し、株価が反発しました。不振が続いていた韓国事業の回復も好材料視されていますが、今回の上方修正は上半期の実績を反映したものにとどまり、下半期以降の動向や海外事業の情勢変化を注視していく必要があります。





























