1. 半導体産業の全体像
半導体産業は「どの工程を握っているか」によって、業績の波や株価の特性が大きく異なります。
材料 ↓ 前工程(成膜・露光・エッチング) ↓ 後工程(組立・検査) ↓ 半導体デバイス(完成品)
投資判断では「今、どの工程に設備投資が集まっているか」を見ることが極めて重要です。
2. 前工程装置メーカー(王道セクター)
前工程は半導体製造の中核であり、設備投資サイクルの影響を最も強く受けます。
| 分野 | 企業名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 総合 | 東京エレクトロン(8035) | 成膜・洗浄で世界トップ級 |
| 露光 | ニコン(7731) | ArF露光装置で存在感 |
| 洗浄 | SCREEN(7735) | 洗浄装置で圧倒的シェア |
| 計測 | 日立ハイテク(8036) | 検査・計測装置が強み |
| 加工 | ディスコ(6146) | ダイシング・研磨で独占的 |
投資ポイント:
市況回復初期に最も早く株価が反応しやすい一方、PERは高くなりやすい傾向があります。
3. 後工程装置メーカー(検査・組立)
近年はAI半導体や先端パッケージの拡大により、後工程の重要性が急上昇しています。
| 分野 | 企業名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 検査 | アドバンテスト(6857) | SoC・AI向けで世界首位 |
| 組立 | 東京精密(7729) | ダイボンダ等 |
| モールド | TOWA(6315) | パッケージ装置に強み |
| 検査 | レーザーテック(6920) | マスク欠陥検査 |
投資ポイント:
前工程より景気耐性があり、「後工程=地味」という見方は過去のものになりつつあります。
4. 半導体材料メーカー(安定・長期向け)
材料メーカーは高シェア企業ほど利益が安定し、長期投資に向いたセクターです。
| 分野 | 企業名 | 特徴 |
|---|---|---|
| シリコンウェハ | 信越化学(4063) | 世界シェア首位 |
| ウェハ専業 | SUMCO(3436) | 先端ウェハ供給 |
| フォトレジスト | JSR(4185) | 先端材料に強み |
| 高純度ガス | 関東電化工業(4047) | 半導体用ガス |
投資ポイント:
市況回復は装置より遅れるが、下値が堅く配当戦略と相性が良い。
5. 半導体デバイスメーカー(完成品)
デバイスメーカーは市況の影響を最も受けやすく、株価の振れ幅が大きいセクターです。
| 分野 | 企業名 | 特徴 |
|---|---|---|
| イメージセンサー | ソニーグループ(6758) | CMOS世界首位 |
| パワー半導体 | ローム(6963) | EV・産業向け |
| 車載 | 三菱電機(6503) | 車載向け強み |
投資ポイント:
タイミング投資向き。好業績期は強烈に上昇する反面、下落も速い。
6. 周辺・インフラ関連銘柄
直接的な装置メーカー以外にも、半導体投資の裾野で恩恵を受ける企業があります。
7. セクター別・投資戦略まとめ
- 市況回復初期: 前工程装置
- 成長持続局面: 後工程装置
- 長期・安定: 材料メーカー
- 高リスク高リターン: デバイスメーカー
8. 投資判断チェックリスト
- 今は設備投資サイクルのどこか
- AI・EV・先端パッケージの恩恵を受けるか
- 世界シェア・代替性はあるか
- 在庫調整局面か回復局面か
まとめ
半導体投資では「どの銘柄を買うか」以上に、
「どの工程・どのセクターを選ぶか」がパフォーマンスを左右します。































