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配当も株価も「別次元」へ?みずほFG8411を本気で丸裸にしてみた






みずほFG8411を徹底分解:純利益「1兆円時代」のメガバンクはまだ割安か

国内メガバンクの一角であるみずほフィナンシャルグループ(8411)は、株価・業績・配当の三拍子がここ数年で大きく変貌した銘柄です。

かつては「システム障害」「不祥事」のイメージが強かった同社ですが、今や純利益1兆円規模・連続増配・自己資本効率の改善と、投資家からの評価を徐々に取り戻しつつあります。

目次

1. 銘柄概要とビジネスモデル

1-1. 基本情報とポジション

みずほフィナンシャルグループは、みずほ銀行・みずほ信託銀行・みずほ証券などを傘下に持つ日本の大手金融持株会社です。

証券コードは8411、東証プライム市場の銀行業セクターに属し、日経平均株価の構成銘柄の一角として、国内外の機関投資家の投資対象にもなっています。

個人・法人・グローバル企業・市場部門をカバーする総合金融グループであり、国内では「3メガバンク」の一つとして位置づけられています。

みずほFG 基本情報(要約)
項目 内容
銘柄名 みずほフィナンシャルグループ
証券コード 8411(東証プライム)
業種 銀行業
指数採用 日経225・TOPIX など
売買単位 100株
発行済株式数 約24.9億株
時価総額 約17兆円台(2026年2月時点)

1-2. 事業の柱:銀行・信託・証券

みずほFGは、リテール・ホールセール・グローバル・アセットマネジメントなど複数のビジネス領域から収益を上げています。

  • みずほ銀行:法人・個人向けローン、預金、決済、外為、投資銀行業務など
  • みずほ信託銀行:不動産、年金信託、証券代行、資産管理など
  • みずほ証券:株式・債券の引受・売買、投資銀行業務、リサーチ等

この「銀行+信託+証券」のフルラインナップにより、企業の資金調達・M&A・資産運用などをワンストップで提供できる点が、メガバンクグループとしての強みです。

1-3. 過去から現在への変化

かつてのみずほは、システム障害や度重なる業務改善命令などで「お騒がせメガバンク」という負の印象が強く、株価も他のメガバンクと比べて評価が低くなりがちでした。

しかし近年は、統合システムの安定化やガバナンス改革、リスク管理の強化などを進める一方で、グループ一体運営によるコスト削減・収益力強化により、財務指標・収益性が改善してきています。

2. 株価・バリュエーションと足元のトレンド

2-1. 直近株価レンジとトレンド

2026年2月時点で、みずほFGの株価はおおむね6,900円〜7,800円台のレンジで推移しており、直近では7,000円台半ば〜後半の水準が中心となっています。

52週レンジを見ると、安値2,688円から高値7,960円超と、ここ1年で3倍近い上昇を示しており、長期的には明確な上昇トレンドにあります。

直近株価データ(例示)
日付 終値 前日比 年初来高値 年初来安値
2026/2/25 7,020円前後 小幅高〜安 7,960円付近 2,688円付近

3メガバンクの中でも、株価のパフォーマンスは近年比較的良好で、「出遅れ銀行株」から「成長+株主還元を評価される金融株」へと市場の見方が変わりつつあるように見えます。

2-2. PER・PBRなどのバリュエーション指標

2026年2月時点の各種指標を概観すると、みずほFGは以下のようなおおよその水準にあります。

みずほFGの主要バリュエーション指標(目安)
指標 水準(おおよそ) コメント
PER 約12〜15倍 市場平均と比較してやや割安〜中立
PBR 約1.5倍前後 銀行株としては「1倍超え」の評価
配当利回り 約2.5〜2.9% 大型株としては水準感あり
Beta 0.2〜1.3程度 景気敏感度は中程度と見るのが無難

銀行株はかつて「PBR0.5〜0.7倍で低迷」という時期が長く続きましたが、みずほFGはPBR1.5倍近辺まで評価が切り上がっており、市場が「構造的な収益力改善」と「資本政策の明確化」を織り込みつつあると見ることもできます。

2-3. 市場評価のコメント

PER12〜15倍程度という水準は、景気敏感株である銀行株としては「割安」と評価されやすい一方、金融危機後の超低金利時代を記憶している投資家からすると「かなり評価が戻ってきた」水準でもあります。

株価はこの数年で大きく上昇しているため、「チャートだけ見ると高く感じる」が、「指標ベースではまだ極端な割高感はない」というやや複雑な立ち位置になっているのが現状です。

3. 業績・収益性:純利益1兆円時代へ

3-1. 2025年3月期決算のハイライト

2025年3月期のみずほFGは、純利益8,886億円前後(資料・集計方法により若干の差)と、過去最高水準の利益を記録しました。

連結業務純益や経常利益も2桁成長となっており、低金利下でも「手数料ビジネスの拡大」「海外・マーケット部門の収益改善」「コスト削減」の組み合わせで収益基盤を厚くしている点がうかがえます。

2025年3月期 決算ハイライト(連結)
項目 実績 前年比
純利益 約8,854〜8,886億円 +30%前後
経常利益 約1兆1,600億円台 +約27%
連結業務純益 約1兆1,400億円台 +約10%
ROE 約8.6% 前年から改善

ROE8%台は、銀行業としては「標準〜やや高め」と評価される水準であり、従来の5〜6%台からの改善が市場評価上昇の背景にもなっています。

3-2. 2026年3月期の見通し:純利益1兆円超えへ

2026年3月期については、会社計画ベースで純利益1兆円超え(1兆〜1.1兆円前後)を見込んでおり、「みずほ史上初の純利益1兆円台」となる可能性が現実的なシナリオとして語られています。

2025年4〜12月期(2025年度第3四半期累計)の連結純利益は1兆198億円と、前年同期比19.2%増となっており、通期の純利益予想1兆1,300億円に対する進捗も順調です。

金利環境の変化(特に米金利・国内長期金利の動向)、クレジットコストの水準、為替の影響など不確定要素はあるものの、「1兆円水準の純利益が見込めるメガバンク」というポジションを固めつつあると言えます。

3-3. EPSとROEの推移

1株当たり利益(EPS)は、2025年3月期実績で350円前後とされており、数年前と比べて明確に水準が切り上がっています。

EPSの増加は株価の理論値上昇に直結するため、配当だけでなく株価キャピタルゲインを狙う投資家にとっても重要なポイントです。

EPS・配当・配当性向の推移(調整後)
EPS 年間配当 配当性向
2023年3月期 約219円 85円 約38.7%
2024年3月期 約268円 105円 約39.1%
2025年3月期 約350円 140円 約39.9%

ROEについても、2025年3月期で8.6%程度と、3メガバンクの中でも上位水準にあります。CET1比率などの自己資本規制対応も進んでおり、「安全性を担保しつつ収益性を引き上げる」方向へ経営がシフトしていることが伺えます。

3-4. 収益構造の特徴:金利だけに頼らない銀行へ

従来の銀行ビジネスは、預金と貸出の金利差(いわゆる「利ざや」)に依存する比率が高く、低金利環境では収益が伸びにくい構造でした。

みずほFGは、手数料ビジネス(投資信託販売、M&Aアドバイザリー、マーケット関連業務など)や、海外収益の拡大、コスト構造の見直しを進めることで、「金利だけに依存しない収益基盤」を志向しています。

それでもなお、国内外の金利動向、景気循環の影響を完全に避けることはできないため、景気後退局面では貸倒引当金(クレジットコスト)の増加などを通じて利益が圧迫されるリスクは引き続き残ります。

4. 配当・株主還元政策の実力

4-1. 年間配当と利回り

みずほFGの年間配当は、2025年3月期実績で1株あたり140円、2026年3月期予想で145円とされています。

株価6,900〜7,800円程度のレンジを前提にすると、配当利回りはおおむね2.0〜2.9%程度に位置し、国内大型株の中では「そこそこ魅力的」な水準と言えます。

1株配当の推移
年間配当 コメント
2021年3月期 75円 コロナ禍からの回復段階
2022年3月期 80円 増配
2023年3月期 85円 増配
2024年3月期 105円 大幅増配
2025年3月期 140円 さらに増配
2026年3月期(予想) 145円 5期連続増配見込み

5年で配当がほぼ2倍近くに増えている事実は、「みずほ=配当成長ストーリー」という新しい見方を市場に浸透させつつあります。

4-2. 配当性向と還元方針

配当性向はここ数年おおむね約40%前後で推移しており、「利益の4割前後を配当として株主に還元、残りを内部留保・自己株取得・成長投資に回す」というバランスを意識した設計になっています。

あわせて、自己株式取得(自社株買い)も断続的に実施しており、1株当たり価値の向上という観点からも株主還元を重視する姿勢が見て取れます。

4-3. 権利付き最終日と支払スケジュール

次回の配当権利付き最終日は2026年3月30日(予定)、支払開始日は2026年6月1日(予定)とされています。(具体的日程は今後の開示で変動する可能性があります。)

配当狙いで短期的にインする投資家にとっては、権利付き最終日付近の株価変動(いわゆる「配当落ち後の値動き」)にも注意が必要です。

4-4. 所感:大型銀行株としての配当魅力度

みずほFGの配当利回りは、高配当株として名を連ねるエネルギー・通信セクターなどと比べるとやや見劣りする場合もありますが、「配当が成長している大型株」という点に価値を見出す投資家も多いはずです。

安定配当+連続増配+自己株買いという三点セットが揃いつつあるため、「配当+株価成長のトータルリターン」を狙う投資家にとっては検討余地のある銘柄と言えます。

5. みずほFGに特有のリスク要因

5-1. 金利環境・景気循環リスク

メガバンク共通の最大のリスクは、金利環境と景気循環に強く影響を受ける点です。

長期金利が低位で推移すれば利ざやは伸びにくく、逆に急激な金利上昇は保有債券の評価損や貸倒れリスクの増大など、別の形で収益を圧迫する可能性があります。

また、景気後退局面では企業業績の悪化に伴い与信コスト(貸倒引当金)が増え、最終利益が大きく振れることも過去の金融危機の中で複数回確認されています。

5-2. 規制・コンプライアンスリスク

銀行は他業種に比べて厳しい規制の下で運営されており、金融庁等の監督当局からの行政処分や新たな規制強化が収益性・ビジネスモデルに影響を与える可能性があります。

みずほFGは過去にシステム障害・反社会的勢力との取引問題等で度々業務改善命令を受けており、コンプライアンス・ITガバナンスの面での「レピュテーションリスク」は完全に払拭されたとは言えません。

5-3. システムリスク・オペレーショナルリスク

全国規模で営業するメガバンクにとって、勘定系システム障害は致命的な打撃となり得ます。ATM停止や振込処理の遅延などは、顧客からの信頼低下だけでなく、追加的な投資・補償コストの増加にもつながります。

みずほFGはシステム統合・更改プロジェクトを経て安定稼働を目指していますが、システム更新のタイミングでは依然として一定のリスクが存在します。

5-4. 国際政治リスク・市場ボラティリティ

グローバルにビジネスを展開するみずほFGにとって、米中関係、欧州金融不安、新興国の政治リスクなどは、マーケット部門の損益やクレジットポートフォリオを通じて業績に影響を与え得ます。

特に、海外向けプロジェクトファイナンスや投資銀行業務は高収益な一方で、突発的な市場変動に伴う損失リスクも内包しているため、好不況の振れ幅が大きくなりやすい点には注意が必要です。

5-5. バリュエーション調整リスク

足元のPBR1.5倍前後という水準は、かつての「銀行株PBR1倍割れ常態」から見れば明らかに評価が回復した状態です。

将来の収益成長が市場の期待に届かなかった場合、PBRが1倍前後まで再評価される可能性もゼロではなく、その場合の株価下落余地は一定程度意識しておく必要があります。

6. バリュエーションは割安か妥当か

6-1. 同業他社・市場平均との比較

単純にPER12〜15倍・PBR1.5倍前後という数字だけを見ると、日本株全体の中では「やや割安〜中立」程度であり、グロース株のような極端な割高感はありません。

一方で、銀行セクター内で比較すると、かつての水準からはかなり評価が回復しており、「ディープバリュー株」というよりは「安定収益を持つ大型銘柄」としてのポジションに移行しつつあると言えます。

6-2. 純利益1兆円前後を前提としたPER

仮に純利益1兆円・時価総額17〜18兆円とすると、PERはおおよそ17〜18倍となり、現状の12〜15倍よりやや高い水準になります。

市場が「1兆円利益を一時的ではなく持続可能な水準」と評価するかどうかによって、PERレンジが変わる余地があり、そこが今後の株価の上値余地・下値リスクを左右するポイントになります。

6-3. PBRとROEの関係

一般に、PBR1倍は「解散価値」とも言われ、ROEが資本コストを上回れない企業はPBR1倍を下回ることが多いとされます。

みずほFGの場合、ROE8%台に改善してきており、資本コスト(日本の大企業でおおむね6〜8%程度と想定)を上回る水準に近づいていることから、PBR1倍超の評価も合理性を持ち始めていると見ることができます。

6-4. 投資妙味に関するざっくり評価

  • 高配当・超低PBRの「投げ売り状態」ではない
  • グロース株並みのPERでもない
  • 純利益成長・配当成長・資本効率改善を織り込みつつも、一部ディスカウントが残っている

この意味で、みずほFGは「超割安株」ではないが、「成長と収益性を考慮するとまだ検討余地のある大型金融株」と位置づけるのがバランスの取れた見方と思われます。

7. 投資スタンス別・みずほ株の使い方

7-1. 長期配当成長投資家の視点

「高配当+増配」を長期的に享受したい投資家にとって、みずほFGは一考に値する候補です。

配当は5期連続の増配見込み、配当性向は約40%、純利益1兆円時代という前提が維持される限り、配当の絶対額は今後も増える余地があります。

7-2. バリュー投資家の視点

典型的な「PBR0.5倍・高配当」のディープバリュー銀行株を好む投資家にとっては、PBR1.5倍前後のみずほFGはやや割高に映るかもしれません。

しかし、ROEの改善・純利益成長・配当成長を踏まえると、「質の向上に伴ってバリュエーションも正当化されつつある」フェーズに入っているとも解釈できます。

7-3. インデックス連動・市場連動を意識する投資家

みずほFGは日経225・TOPIXの構成銘柄であり、指数採用比率も高いため、「日本株全体のトレンド」を取りに行くポートフォリオの中核として利用する考え方もあります。

個別銘柄リスクはあるものの、メガバンクの中でも流動性が高く、海外投資家の売買も多いことから、インデックス投資家・ETFとの連動性も相対的に高い銘柄です。

7-4. マクロ・金利テーマを狙う投資家

金利上昇局面・金融引き締め局面では、銀行株は一般に相対的に恩恵を受けやすいセクターとされます。

みずほFGを「金利・景気の方向性にベットする銘柄」として位置付け、マクロ見通しに基づき売買する戦略もあり得ますが、その場合は日米金利差やイールドカーブの形状にも注意を払う必要があります。

8. まとめ:どんな投資家にフィットするか

みずほFG(8411)の投資ポイント整理
観点 ポジティブ要因 ネガティブ要因
業績 純利益1兆円時代に入りつつあり、ROEも8%台に改善 景気・金利サイクルに依存し、業績の振れ幅は大きくなり得る
財務・規制 自己資本規制比率は国際基準を満たし、資本バッファーも厚い 今後も規制強化・監督強化の可能性は常に存在
株主還元 5期連続増配見通し、配当性向約40%、自社株買いも実施 配当利回りは2%台と「超高配当」まではいかない
バリュエーション PER12〜15倍・PBR1.5倍前後は成長・収益性を勘案すると極端な割高ではない 過去の銀行株バリュエーション(PBR1倍割れ)と比べると明確に評価は切り上がっている
リスク 収益基盤の多様化・コスト削減で耐性は高まっている システム・コンプライアンス問題の再発リスク、マクロショック時の株価急落リスク

総じて、みずほFGは「かつての低評価メガバンク」から「利益成長と株主還元を両立する大型金融株」へと変貌しつつある銘柄です。

高配当株としてのインカム狙いと、純利益・配当の成長による株価上昇の両方をある程度期待したい中長期投資家にとっては、ポートフォリオの中核候補になり得ますが、景気・金利・規制といったマクロ要因に大きく左右される点は常に意識しておく必要があります。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。実際の投資判断は、最新の決算短信・IR資料・株価指標・ご自身のリスク許容度等を踏まえてご自身の責任で行ってください。





※ 本記事は特定銘柄の推奨や売買を勧誘するものではなく、情報提供のみを目的としています。記事内で取り上げた銘柄について、筆者または当社が保有している場合がありますが、利益相反防止の観点から、執筆内容は公正・中立性を保つよう配慮しております。投資判断は必ずご自身で行ってください。

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