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中国株の超基本 ~上場総合・深圳・上海A・上海Bの特徴を解説~







完全解説!中国株の超基本
~上場総合・深圳・上海A・上海Bのキーワードと特徴を攻略~

投資先として世界中から注目を集める中国株式市場。しかし一口に「中国株」といっても、上場されている市場には“上場総合指数”“深圳”“上海A株”“上海B株”など、数多くの特徴があります。本記事ではそれぞれのキーワードの意味や仕組み、知っておきたい基礎知識から、実際の銘柄選びに役立つポイントまで、重要要素を詳しく解説します。

目次

中国株とは ~基本構造の全体像~

「中国株」は、中国本土の株式市場に上場している企業の株式、および関連した香港市場の銘柄などを指します。主に以下の三大市場に分類されます。

  • 上海証券取引所(主に大型企業・伝統産業)
  • 深圳(深セン)証券取引所(主に成長企業・ハイテク関連が中心)
  • 香港証券取引所(海外投資家に開放されている)

それぞれの市場には「A株(人民元建て)」「B株(外貨建て)」などの区分が存在し、投資家や通貨、上場基準などに違いがあります。

上場総合指数とは何か?

「上場総合指数」という用語は、上海証券取引所の上海総合指数や深圳証券取引所の深セン総合指数のように、市場全体の株価動向を示す指標を指します。

  • 上海総合指数:上海証券取引所に上場するすべてのA株・B株の株価を対象とした、時価総額加重平均の指数。中国の株式市場の代表的なベンチマークです。
  • 深セン総合指数:深圳証券取引所の全上場銘柄(A株・B株)の動きを示す指数。上海に比べて新興・成長銘柄の比率が高いのが大きな特徴です。

これらの「総合指数」に加え、より限定的な主要銘柄・業種別の指数(例:上証50指数、深セン成分指数、CSI300指数など)も存在し、中国株投資の指標として幅広く利用されています。

深圳市場(深セン市場)の特徴

深圳証券取引所(SZSE)は、1980年代の経済開放政策のもと「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深セン市に設立されました。深圳市場には以下の特徴があります。

  • 中小型株や技術革新企業、新興企業が多く上場
  • 板(市場区分)が複数:

    • メインボード(大型株)、
    • 中小企業板、
    • 創業板(起業家・ベンチャー向け)
  • A株市場(人民元建て)とB株市場(香港ドル建て)
  • 成長・先端分野(ハイテク・情報技術・消費財・バイオなど)が中心
  • 上場企業数が非常に多く、流動性も高い
  • 南港通(深港通)により香港経由で外国人投資家もアクセス可能

深圳市場は新興国的な成長企業やイノベーション企業が集まりやすいため、グロース株投資のターゲットとして世界中から注目されています。

上海A株とは?

上海A株は、上海証券取引所に上場している中国企業の株式のうち、人民元建てで国内投資家向けに取引されてきたものです。

  • 取引通貨:人民元
  • 当初は中国本土の投資家(法人・個人)専用。現在は一部の適格外国機関投資家(QFII制度など)や、「上海・香港ストックコネクト」の登場で香港経由でも売買可能
  • 大企業(国有・インフラ・金融・エネルギー等)が多い
  • 上場企業数は1,500社超とされる

上海A株は、中国の経済基盤を支える伝統的・安定志向の企業が多く、配当・資産型投資に向いたセグメントです。

上海B株とは?

上海B株は、外貨建て(米ドル建て)で主に外国人投資家向けに設けられた市場区分です。

  • 取引通貨:米ドル(上海)、香港ドル(深圳B株)、主に海外投資家および国内投資家が参加可
  • もともとは中国本土外からの資金導入目的で開始
  • 現在の上場銘柄数はA株に比べて非常に少ない
  • 外貨による投資なので、為替リスクも存在
  • 「A株」「B株」間で株主権の違いは基本的に無いが、取り扱う通貨と投資家層が異なる

近年ではB株の存在意義はやや薄れつつあり、一部でA株に統合されるとの見方も存在しています。

関連キーワード解説

  • 上場市場:株式が取引できる証券取引所。中国本土では上海・深圳の2大取引所が中心。
  • A株:中国本土市場上場の人民元建て株式。国内投資家向けが原則だが、適格制度などを通じ一部外資も可能。
  • B株:中国本土市場上場の外貨建て株式。上海市場は米ドル、深圳市場は香港ドル建て。外国人/中国内外の投資家が参加可能。
  • ストックコネクト:香港と上海・深セン両市場間で株式売買接続を実現した制度。香港投資家がA株にアクセス可能、「滬港通」「深港通」など。
  • CSI300指数:上海・深センA株から選定された代表的な300銘柄で構成される主要株価指数。
  • PER(株価収益率):株価が企業の収益に対して割高・割安か測る指標。成長期待企業ほどPERが高くなりやすい。
  • 時価総額:上場株価×発行株数。市場や指数の規模感を示す。
  • ハイテク・ニューエコノミー:深圳市場や創業板のように、次世代産業・技術革新企業が多く集まる領域。

中国株投資のポイントと注意点

  1. 投資可能市場と通貨を理解:上海A株・深センA株は人民元、B株は米ドルまたは香港ドル。為替リスクや送金規制にも注意。
  2. 市場による企業特性や流動性の違い:安定を求めるなら上海A株、新興成長企業を狙うなら深圳A株・創業板。
  3. 外資規制・投資枠:一部外国人投資家に取引制限が付される場合あり。最新のマーケット情報をチェック。
  4. 指数との連動・分散投資:「CSI300」「上海総合指数」「深セン成分指数」など指数連動型の商品も活用可能。
  5. 個別銘柄選びは成長性・ガバナンス等の精査を:特に深圳市場は成長企業が多いが割高になりやすい傾向あり。

まとめ

中国株式市場は、「上海」「深圳」という二大本土取引所の中に、A株・B株というさらに細かな市場体系が存在し、それぞれが異なる投資家層・企業群・リスク特性を持ちます。あなたが中国株に投資する際は、単なる値動きや銘柄名だけでなく、市場の区分・構造・キーワードの意味まで理解することで、より戦略的かつ安心して資産形成を目指すことができるでしょう。


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